永六輔コンサート

「歌浄土」と題して、築地本願寺にて永六輔コンサート。「永六輔は自分の作詞した歌は、ほとんど自分では歌わなかった。その掟を破って歌手として舞台に立つきっかけとなったのは、野坂昭如の闘病生活である」とチラシにある。本願寺本堂でのコンサートなんて面白そうだなぁと思って出かけた。

永六輔氏が作詞したヒット曲は、一昔前の曲になるが沢山ある。上を向いて歩こう見上げてごらん夜の星を、夢で会いましょう、遠くへ行きたい、こんにちは赤ちゃん、等々。トークを交えながらピアノ伴奏で歌ってくれた。

上を向いて歩こうは、海外でヒットした「スキヤキ」という歌で。ゲイシャベイビーが云々とか、もう歌詞が原作と全く違うので驚いた。私は題名だけがスキヤキで、歌詞はそのまま英訳されたのかと思っていたのだけど…。あの原作の歌詞はとても好き。

こんにちは赤ちゃんは、もともと「ママ」の歌じゃなくて「オヤジ」の歌だったそうで、「私がママよ」ではなくて「僕がオヤジだ」という風に歌ってくれた。遠くへ行きたいは、手話で。にぎやかな会場がしんとなってよかった。

永さんが三波春夫さんと一緒に老人ホームを訪問した話をしてくれた。三波さんの歌を披露するつもりで訪問したのに、参加した老人たちが自ら歌い始め、三波さんは結局、それに合わせてずっと歌っていたという。その帰路に三波さんが、「永さん、私は、自分が行って唄ってあげれば喜ぶだろうと思っていた傲慢さがとても恥ずかしい。みんな、自分の歌をもっているじゃないですか。その歌のなかに入ってみて、本当に勉強になりました」と語ったと話してくれた。

会場で売られていた本
上を向いて歌おう 昭和歌謡の自分史