剣持勇とその世界

本日まで開催の「ジャパニーズ・モダン展 剣持勇とその世界」を観にいく。会場は、松戸市美術館。循環展の最後なのだが、関東地方での開催は松戸のみで、もう少し便利な都内の会場で開催すれば多くの人が来られて良いのになぁと思った。

剣持勇は1912(明治45)年、軍人の子として東京に生まれた。少年時代に描いたペン画が展示されていたが、とても上手。東京高等工芸学校木材工芸科へ進み、1932年に卒業後、在学中に見学し気に入った商工省工芸指導所へに入所する。1955年に「剣持勇デザイン研究所」を設立して独立。

渡米した彼は、日本の造形の良さは、海外で必ず評価されると考え、「ジャパニーズ・モダン」を提唱したという。彼がデザインした家具が、会場に所狭しと展示されていたが、作品は今みても新しく、デザインは洗練されている。工業製品や室内設計に携わり、例えばヤクルトのカップが彼のデザインによる。その他に挙げられていたのは、香川県庁、京王プラザホテルの内装、国立代々木競技場の貴賓室、霞ヶ関東京會舘など。

1971年6月3日、剣持勇は自分がデザインしたソファーの上に横たわり、所長室で自殺してしまう。先日の講演会で、千葉大の教授が、なぜ自殺したのか私にも分からないと話していた。

図録を購入しようとすると完売とのことで、取り寄せることにした。取り寄せ先は、秋田市立千秋美術館