本日放送の「久米宏 ラジオなんですけど」は、日本共産党の前議長の不破哲三さんがゲスト。現在85歳の不破さんは、口調も論調も明確だった。久米さんとの対話から、要旨。

・(不破)自民党は、有権者対比の低支持率にも関わらず、小選挙区制による「虚構の多数」に安住して、何でもできるが暴走し、国民の声に耳を傾けない政治に極端化した。昔は、政策に幅があり、我々と論戦しても、まずいとなったらサッと身を引く覚悟が首相にはあった。今はそれがなくなった。一方、野党の方でも、政党交付金が軸になって、離合集散し、弱体化した。

・(久米)中選挙区制から小選挙区制への移行を推進したのは自分を含めたマスコミであった。二大政党制を作ろうという目的であったが、米国でも英国でも、二大政党制は自然発生的にできたもの。それを日本で無理矢理やろうとしても上手くいかなかった。

・(不破)小選挙区制への移行は、断固反対したが少数意見だった。小選挙区制は完全に失敗した。人為的に二大政党制を作ろうとしても無理。政権交代しても、同じ自民党政治の土俵のうえで、自民党とは別の政党を作ろうという試みだった。細川政権も、基本政策はこれまでの政策を踏襲すると確認していた。

・(不破)今のように暴れる「ウルトラ右翼」が首脳部を握れば、自民党全体がそれ一色になって、物も言えなくなる。歴代自民党がやれなかったことを平気でやっている。

・(不破)自民党は、世界の資本主義国の政党の中でも、最初から異常な性質を持っていた。(1)ひとつはアメリカ絶対。治外法権の軍隊と基地がこれだけ多い国も他にない。外交軍事は完全に日米一体。こういう国も世界にない。(2)財界の利益供与が経済政策の当然の基準となっている。これも他にない。政権をとったら長い目で大局を考えるという姿勢、日本にはそれがない。(3)既に世界史的な判決が下っている過去の戦争を反省しない。この3つは、世界の資本主義国の政府のどこにもない、自民党の特徴なんです。

・(久米)欧米のマスコミの論調は、安倍に対して、ナショナリスト国粋主義者とみなしている。だが日本人は、海外で安倍がそう評価されていることをあまり知らない。

・(不破)ドイツではヒトラー協力者は徹底的に糾弾されたが、日本では東京裁判が終わってから、戦犯の追及をやめてしまった。そして、日本国憲法制定後、1949年に米国大統領を含む軍政首脳部が日本国憲法の改定を決めた。ほぼこの筋書き通りに動いている。日本で何かあるときは、必ず米国との間で何らかの決定がある。

・(不破)今回の「戦争法案」に対しては、野党が一致して最後まで反対した。それはこれまでになかったこと。この背景には国民運動があった。これまでデモに参加したことのなかった人々が参加し、国民が声を上げた。来年6月の参議院選挙で、この法案を廃止することを目的にして団結しようと呼び掛けている。そうしなければ、この法案を廃棄することができない。法案のもとには「集団自衛権を承認する」という内閣の意見決定がある。これを取り消さないと禍根を残しますから。これを取り消さなければならない。

【音声】https://www.youtube.com/watch?v=_4w69niHLsE