金沢の散歩

兼六園の新緑

雨上がりの兼六園、とても素敵でした。かつて何度か訪れた場所だけど、今回、樹々の美しさに強く心惹かれました。輝くように揺れる新緑が本当に美しかった。有名なことじ灯籠より、樹々のみどりが、心に残りました。

小さいけれど、素敵な建物。2階が五木寛之さんの展示室になっています。五木寛之氏の著書は、先日の蔵書一掃で殆ど手放してしまったけれど、ガラスケースの中に展示されていた本も持っていたので、こちらに寄贈すれば良かったなぁと。でもそんな風に思いながら手放した本は、他にもたくさんありました。

金沢に生れた泉鏡花。彼の世界は少しだけ、どんな人生を辿ったのか、殆ど知らなかったので、鏡花の作品や生涯に触れられてよかった。兎の置物を好んだそうで、その企画展がありました。

徳田秋聲の生家跡近くにある記念館。書斎の再現展示もあり、今回訪れた3つの文学館のうち、一番展示が充実していたかな。徳田秋聲については、山田順子を追ったことが昔あって、そのときに少し触れた程度。「女性を描かせたら神様」と言われる秋声の、作品の登場人物を紹介する和紙人形を使ったシアターがあり、女性5人それぞれの存在を感じられてよかった。

金沢を流れる浅野川沿いの道は「秋聲のみち」と名付けられていた。文学にも描かれた浅野川、気持ちのよい春の散歩道だった。

時間があれば、夢二が彦乃と過ごした「金沢湯涌夢二館」へも行きたかった。夢二の本も、だいぶ捨ててしまったなぁ…また来年。来年も金沢を訪れることを、期待して。