スーホの作った馬頭琴

モンゴル国立馬頭琴交響楽団」のコンサートを聴きにサントリーホールへ行く。友達が知り合いから招待券をもらったので無料。かねてから馬頭琴(ばとうきん)を一度聴いてみたいと思っていたのでラッキーだった。
スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)

馬頭琴といえば、『スーホの白い馬』を思い出す。小学生の教科書に載っていたのか、絵本でも読んだ覚えがある。悪役の殿様から弓矢を撃たれながら、育て親であるスーホのもとに逃げ戻って、死んでしまった馬が、スーホの夢に出てきて、「そんなに悲しまないでください。それよりわたしの骨や皮、すじを使って楽器を作ってください。そうすれば、わたしはいつもあなたと一緒にいられます」と言い、それが馬頭琴になったという話。

馬頭琴には弦が二本あって、膝に抱えながらバイオリンのような弓を使って演奏する。種類がいくつかあり、チェロのような馬頭琴もある。音色はやわらかい。楽器の由来を意識するからか、短調のメロディーが似合うと感じた。1曲だけ、馬頭琴の四重奏を演奏してくれたが、それが一番よかった。友達も同じ感想。

楽団は、馬頭琴のほかに、日本の琴と似た楽器、木魚のようなポコポコ鳴る打楽器などの民族楽器に加えて、ピアノ、フルート、木琴、鉄琴、ティンパニやシンバルなどの洋楽器も合わせられていたのだが、馬頭琴の音色にピアノの音が混ざってしまったり、琴の音を木琴が消してしまっていたり、ティンパニやシンバルは少々うるさく、民族楽器だけのシンプルな演奏をもっと聴きたかったなと思った。

デールという民族衣装を着て演奏してくれたり、日本の曲も混ぜてくれたりして、いろいろな工夫があった。馬頭琴の演奏者は、どんな楽譜を見ているのかなとか、直接モンゴルの人と話してみたいなと思った。会場でお相撲さんの姿を見かけたが、朝青龍のトモダチかな??