タイマグラばあちゃん

ポレポレ東中野へ映画「タイマグラばあちゃん」を観に行く。

タイマグラとは、アイヌ語で「森の奥へと続く道」という意味。自然環境の厳しい土地で、堅実に、強く、明るく、一生を終えたおばあさんの話。監督は15年をかけて撮影した。

畑の収穫、味噌作り、春に咲くコブシの花。都会の生活とは異なる時間が流れる暮しだ。

上映後、澄川嘉彦監督と映画のナレーションを担当した小室等さんのトークがあった。「おばあさんは、幸せだったのでしょうか」という小室さんの問いに対して監督は、幸せだったと思う、それは会うと強く感じたと話した。おばあさんは、「とても大変で苦しいけれど、イヤではない」と話していたそうだ。体を動かすこと、仕事、生きることが、みな重なっていたと思うと監督は言った。

小室さんから「在宅医療」という言葉が出て、確かにそういう視点で考えることもできる映画だと思った。おばあさんが病院にいる場面は、映画に出てこなかったけれども、入院前までの濃い暮しから、全てが変化したであろうことは想像がつく。

監督の言葉。「身体を動かして働く喜び、自然に抱かれる喜びは、どんなに文明が進んでも変わりません。生きることの素晴らしさを感じる機会にしてほしい。」